部下を上手に叱るには?

一対一の対話


部下や社員をどう叱ったらいいのか?
との、管理職や経営者の方のお悩みをお聞きすることがよくあります。


ある人は厳しく叱り過ぎて、相手を萎縮・反発させてしまう(ひどい場合は離職へ…😧)。
一方、ある人は叱れなくて、相手の行動が変わらない。


私が研修等の場でお伝えしていることは、まず、
「叱る」という言葉を使うのはやめましょう、です。


なぜかというと、どうやっても、この言葉には、
「相手を怒ってとがめる」というニュアンスが拭えないからです(笑)。


実際、「叱る」の辞書の定義はこうです。

目下の者の言動のよくない点などを指摘して、強くとがめる。

デジタル大辞泉


ちなみに、「とがめる」の意味は、「過ちや罪・欠点などを取り上げて責める。非難する。」です。


ちょっと、きつくないですか?
社員教育・指導育成において、本当にそんなことをする必要があるのでしょうか?


よく、ネットには「叱る」と「怒る」は違うとして、「叱る」は相手のため、
だから、いいんだと主張している説もありますが、私からすると、同じです。


相手をとがめなくてはいけないと思っている時点でリスキーなので、
「叱る」という考え方はやめた方がいいと思います。


そもそも、「叱る」とは、どんな場面で、何のために必要でしょうか?


せいぜい、相手が「うまくできない」「質がいまいち」「ミスをした(繰り返す)」
といったことではないでしょうか。


それが挨拶であれ、言葉づかいであれ、業務の生産性であれ、要するに、
求める基準以下である」、ということ以上でも以下でもないはずです。


それに対する、私の答えはシンプルです。


「基準を明確にして、それを求める」です。


「求める」はよくて、必要です。
その基準からブレてもいけません。


問題は、多くの場合、その基準を教える側がはっきりとさせてないし、
明確に言葉で求めていないことです。


逆に、感情的になって、「たるんでいる」とか「不真面目だ」とか、
精神論の「叱る」になってしまったりします。


そうではなく、この3ステップで冷静に伝えれば、
その方が、実際に相手が行動を変えやすくなり効果的です。

 ⒈  事実ベースで、相手の行動を指摘する
 ⒉ 求める基準(やってほしいこと)を伝える
 ⒊ できるようになるための方法を考えさせるか、提案する



必要なことは「相手の行動が変わる」ことであり、
「欲しい結果が得られる」ことです。


ですので、「叱る」という言葉よりは、「求める」の方が相応しいのかなと思います。


「指導」「指摘」でもいいかもしれませんが、
私にも、まだぴったりと来る言葉が見つかっていません。


ともかく、部下を上手に「叱る」には、「叱る」という行為自体の意味を見直すこと。


そして、どうなってほしいのか?を明確にし、
事実ベースで伝えること、が肝要だと思います。